社則AIサンプルの掲載

前回のコラムに掲載した社則AIを以下URLに公開しました。
https://elegant-pegasus-84c7bd.netlify.app/

社則AIのようなAIを利用するアプリケーションを公開するにあたり、
安全性への配慮は欠かせません。
代表的なものはAPIキーの秘匿です。

前回コラムに掲載したものはフロントエンドで直接AIチャットをする構成でしたが、
それではAPIキーが外部に漏れてしまうため、
AIチャットに関する処理をバックエンドに分離するよう改修を加えています。
今回はサンプルの公開とはいえ、セキュリティ面で注意すべき点は数多くあり、
それらの検討・対策については非常に苦労しました。

公開にはホスティングサービスに「Netlify」を利用しています。
Netlifyは非常に簡単にアプリケーションを公開でき、
今回のようなサンプルの公開に最適なサービスということで選択しています。
Githubとの連携によってアプリケーションの改修やテスト等が簡単に行え、
その後の管理しやすさもNetlifyの魅力ですね。

社則AIの拡張性

現時点の社則AIは、登録された社則・規程を理解し、それに基づいて回答するAIです。
ChatGPTやGeminiのように一般知識や推測を交えた回答を行うのではなく、
会社が定めた公式ルールのみを根拠として答える点に特徴があります。

そして、汎用AIでは代替できない最大の強みは、
社外秘を含む社内情報を安全に取り込み、社内専用AIとして運用」できることです。

今後のアップデート案

拡張の方向性としては複数の可能性が考えられますが、
まずは、下記2点を優先的な検討テーマとして整理しています。

  • 社則以外の社内ドキュメントへの対応拡張
  • 社内ドキュメントを簡単に取り込む仕組みの整備

以下、それぞれの内容について説明します。

① 社則以外の社内ドキュメントへの対応拡張

「社則」に特化したAIとしてスタートしていますが、
この仕組みは社則に限らず、さまざまな社内文書をインプットし、
会社独自の知識を扱えるAI基盤へと拡張可能です。

この強みを起点として、今後は以下のような文書群への展開が考えられます。

・製品・サービス関連ドキュメント

仕様書・設計書・リリースノートなどの社内ドキュメントを取り込むことで、
「このAPIの制限事項は?」「最新バージョンで何が変わった?」といった質問に、
該当資料を参照しながら回答できる仕組みへの拡張が考えられます。
資料を探す・読み解く手間を減らし、
開発・営業・サポートといった各部門の情報共有や理解を、
よりスムーズにすることが期待されます。

・ナレッジ・事例・過去案件

過去の障害報告書やトラブルシュート事例、社内Q&A、
問い合わせ対応履歴を蓄積することで、
「このエラーが出たとき、過去にはどう対応したか」といった質問に、
類似事例をもとに答えられる仕組みを想定しています。
属人化しがちな対応ノウハウを共有し、
経験の浅いメンバーでも過去の知見を活用できる環境づくりにつながります。

・人事・労務・評価・教育関連コンテンツ

就業規則に加え、福利厚生ガイド、評価制度、各種手当のルール、
研修資料などをまとめて扱うことで、
「評価ランクの基準は?」「資格手当はいくら?」といった質問に、
人事関連文書を横断して回答できるAIへの展開を視野に入れています。
人事担当者への問い合わせを減らし、
社員が必要な情報を自分で確認できる環境づくりを支援します。

・教育・研修コンテンツ

研修テキストやeラーニング資料を取り込むことで、
「研修内容を要約してほしい」「新人向けに分かりやすく説明してほしい」
といった依頼に対応できる可能性があります。
また、研修内容に基づいたクイズの出題や理解度チェック用の簡単なテスト作成など、
教育・研修を補助するツールとしての活用も考えられます。

② 社内ドキュメントを簡単に取り込む仕組みの整備

社則AIを社内ナレッジ基盤として活用するためには、
文書の種類や形式を問わず、誰でも迷わず取り込める仕組みが重要だと考えています。

今後のアップデート案として、
以下のような一般的な取り込みパターンへの対応を検討しています。

・ファイルアップロードによる登録(文書・画像)

PDF、Word、Excel、PowerPointといった文書ファイルに加え、
操作マニュアルや手順書などの 画像ファイル(PNG、JPEGなど)
登録できる仕組みを想定しています。
画像ファイルについては、
アップロード時にその画像に関する説明文や補足情報をあわせて登録することで、
質問内容に応じて適切な画像ファイルを回答として提示する活用方法を検討しています。

・フォルダ単位での一括取り込み

社内で既に管理しているフォルダ構成をそのまま活用し、
複数の文書や画像をまとめて登録できる仕組みも検討しています。
部署別プロジェクト別製品別といった分類を維持したまま取り込むことで、
文書整理の手間を増やさずにAIへ反映できることを想定しています。

・テキスト直接入力・貼り付けによる登録

短いルールや補足説明、
「口頭で共有されているが文書化されていない情報」については、
管理画面から直接テキストを入力・貼り付けて登録できる形とします。
簡易的な社内ルールや運用メモを、気軽にAIに覚えさせる手段として活用できます。